野末建築
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出来れば家からなくしたいもの

出来れば家からなくしたいもの

2021/06/08

「廊下が欲しいです」という要望を

お聞きすることなんてほぼほぼないし、

そうしたいと思っている方も

ほとんどいないと思います。

 

実際、廊下はただ通るだけのスペースだし、

廊下があることで

家の中に温度差が生まれやすくなるし、

ヒートショックを起こしやすくなるため、

出来るだけなくすように設計すべきなのですが、

意識しながら間取りを考えないと、

知らず知らずの間にたくさん出来てしまうのが

この廊下です。

例えば、2階建ての家を建てる場合、


2階に寝室や子供たちの部屋といった


プライベートルームを配置することが多いですが、


それぞれの部屋に行くための通路や


トイレや納戸に行くための通路を


確保しなければいけなくなるため、


必然的に廊下がたくさん出来ることになります。


 


また、客間をつくる場合も、


リビングと分断された場所につくるとなれば、


そこには廊下が必要となるし、


リビングの外に階段をつくる場合も、


廊下から階段を上り下りするようになるため、


必然的に廊下が増えることになります。


 


さらに、収納を通り抜けることが出来る


いわゆる通り抜け動線をご希望される方も


決して少なくないと思いますが、


通り抜け動線をつくれば、


必然的に収納の中に廊下が出来てしまうため、


収納としての機能も半減させてしまうことになります・・・


 


廊下に対する認識


 


このように、間取りのつくり方や要望によっては、


知らず知らずの間に廊下がたくさん出来てしまうのですが、


もちろん廊下にも部屋や収納と同じようにコストがかかっています。


基礎もあれば、床も壁も天井も屋根もあるわけですからね。


 


そして、そのコストを換算すると、


タタミ1帖あたり2530万円ほどになります。


つまり、家全体で廊下が6帖あれば、


欲しいとも思っていないのに、


知らない間に150180万円ものコストが


かかっているということですね。


 


また、廊下にかかるコストは


廊下そのものにかかるコストだけではありません。


 


廊下をつくれば、


部屋と部屋を出入りするために、


一旦廊下に出なければいけないため、


必然的にドアの本数も増えることになるからです。


 


それゆえ、出来るだけ廊下を減らすことが


自然と家のコストカットにつながるということになります。


 


プライバシーをどう考えるか?


 


ただ、廊下がないということは、


イコール部屋と部屋がダイレクトにつながっている


ということでもあるため、


家族間のプライバシーが、


若干守られにくくなってしまいます。


 


そして、これを「よし」とするかどうかで、


廊下の分量が決まってくるのですが、


あなたならどうお考えになるでしょうか?


 


子供が小さいうち。


子供が思春期になった時。


子供が家から出て行った後。


年をとり老後になってから。


 


あなたは、そのお家で


生涯暮らしていくことになります。


 


なので、わずかの期間に目を向けるのではなく、


今のことも、ちょっと先のことも、


そして、もうちょっと先のことも、


さらには、もっともっと遠い未来のことまでご想像いただき、


家の間取りをつくることが大切です。


 


ということで、


欲しいと思っていないものにまで、


知らない間にコストがかかっているということ、


そして、家は今だけじゃなく、


もっと先のことまで想像しながら、


考えていくことが大切である、


ということを意識しながら


家づくりをしていただければと思います。


 


それでは、、、


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